Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 81.739 Zeichen · 164 Bildschirme
七月十一日
そう云う風に、人間を見て行きたいものである。自分も亦そうでありたい。今日は梅雨のあけだそうで、夕方から大雨になった。珍らしく夏らしい、強い激しい降り様であった。大学の卒業式のあった日だ。久米さんも、もう学士になったのにはあまり早い様な気がする。ついこないだ、あの赤っぽい紫のベルトのついた帽子をかぶって居たのにと思う。どうか自分の仕事のうんと出来る職業を見つけるならば御見つけなさる様にと思う。学校の先生なんかはもっての外だ。中央公論は待って居たが何とも云ってよこさない。
七月十一日(火曜)
「小さき憂悶者」を書き出す。何だか最初の言葉が出にくくていやな心持であった。中公に母上が電話をかけて御覧なさる。まだ見きれて居ないと云うことである。いつまでああやって置くつもりなのか?
母上は、二百部なり百部なりのものを持ってやると云ってくれるのを待って居るのじゃあないかとおっしゃるがそんなこともあるまい。
そんなにして出してもらわずとあんな雑誌ならおしくはない。
夕方高橋夫人が来る。何だかやせて、おっかさんらしくなって来た。
一人の子供をそだてるために、母親がどれ丈苦労をするのか。