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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろきちこうし

治郎吉格子 名作短編集(一)

吉川 英治

Lesen Sie 治郎吉格子 名作短編集(一) (じろきちこうし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.609 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

「ば、ばかめッ、刀で果し合いをせずに何でする!」

「本職で行こうじゃねえか、本職でよ。――おめえも次席家老のせがれだっていうが、役名は火術自慢の松代藩でお狼火方っていうんだろう。おれも火いじり商売だ。同じ果し合いをやるなら花火でやろう」

「そんな勝負は武士の慣いにない。拙者は武士だ、刀にかけて解決する」

「おれは職人だ。腕で来い。やい、てめえは常に何といっている。ふた口めにゃ洋学をふり廻しやがって、おれたちのことを頭脳が古いの、無智だの、時勢遅れだのとほざくじゃねえか。刀と刀でチャンチャンと叩き合うのもあんまり新しいともいえねえぜ。ひとつ煙火師と侍と、どっちの頭脳がいいか、腕力でなく技術で勝負をしようっていうんだ。――それともてめえのは口先学問で、実際になっちゃあ能なしだというならば、相手にとって不足だから土間に手をついて謝ってしまえ、お螻蛄だと思って勘弁してやるから」

いつの間にか、土間の外には、戸狩の若者と四名の藩士たちが、がやがやと別になって揉み合っていた。中へはいって慎吾の助力をしようと息巻く侍のほうを、村の若者たちが手をひろげて、断じて拒んでいるのだった。