Japanische Klassiker mit Furigana
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じろきちこうし
治郎吉格子 名作短編集(一)
吉川 英治
Lesen Sie 治郎吉格子 名作短編集(一) (じろきちこうし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.609 Zeichen · 362 Bildschirme
お芳も、初めは消え入りたそうであったが、男と男が、形相を硬ばらして、またそれを戸狩の者や、四人の藩士が息ぐるしく取り囲んで、いよいよ、果し合いの凝議をしはじめた時分になると、真っ蒼な顔を上げて、自分の運命についてもその人々の話に、無関心ではいられなくなって来た。
で、果し合いの約束はほぼ決定した。
後日になって異議のないように、立会人が箇条書にして双方へ手渡した。そのうち重点を拾って誌すと次のような事々である。
まず、各※(二の字点、1-2-22)、十分自信のある花火をこれから百日の間に製作すること。
製作材料ならびに薬品等の選択は各自の自由。また手助けとして二名までの下職は使ってもさしつかえない。
寸法は手頃として八寸玉。
検証はここにいる一同。
打揚げ勝負の場合は、筒ごしらえ、口火落し、すべて当人以外の助太刀はゆるさない。
場所は善光寺より四里、川中島から東南へのぼった千曲川の河畔。
日はおよそ七月上旬。三州長篠の煙火陣へ押出す前に決行する。
約束はざっと以上のような条件であるが、さて、勝ったほうはどうするか? 負けたほうはどうされるか? 刀と刀の果し合いでない以上、生命には別条がないわけであるから、その結果にも当然約束を附しておかなければならない。