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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme

Aozora Bunko

……戦い! ……流血! それから死だ。そうだ人間はいつ死ぬか知れない!」

こう思って来て庄三郎は、今さら自分が迂濶であったことに、思い当たらざるを得なかった。

「出よう出ようここを出よう。自分には目的があった筈だ。父母や叔父を探がさなければならない」

しかし出ることは出来なかった。

人波が彼を溺らせる。侵入軍が襲い掛かる。どこかで家が焼けていると見えて、濃い煙りが渦巻いて来る。

庄三郎は人波に押され、いつか「聖壇」の上へ来た。既にここにも数百人の、避難して来た信徒がいる。彼らは口々に叫んでいる。

「孔雀明王! 孔雀明王!」

「助け給え! 助け給え!」

それは凄惨な祈祷であった。こういう場合にも神を信じる、信徒独特の祈りであった。

祈りの声は一団となり、丘から町の方へ響いて行く。その町では今も尚、人間狩りが行われている。

しかし、やがて、陣鉦の音が、富士の山骨から鳴り渡り、それがすっかり止んだ時、人間狩りも終りを告げた。

侵入軍が引き上げたのである。

平和が教団へ帰って来た。信徒達は嬉々として、破壊された跡を修理した。悪魔の破壊は一時であるが、神の修理は永遠である。