Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
三
……ふん、畜生、云わねえ意だな! 金仏のように黙っていやがる! 唖が自慢でもあるめえに。よし手前がその気ならもう一嚇し嚇してくれる。ヤッ」
と一声気合を掛けると、手繰り気味に握っていた棹を、颯とばかり突き出した。魅せられたように立っていた小四郎の頬へそのとたん冷りと風が当ったが、同時にドンという音がした。
「ケ、ケ、ケ、ケ、野郎どうだ! 金城鉄壁物かはと云う槍の手並みをご覧じろ! やい背後を振り返って見ねえ!」
三
云われて小四郎振り返って見ると、樫材五寸の厚味を持った厳重を極わめた板壁が、ヘナヘナ竹の黐棹の先にブッツリ貫かれているではないか。
「何んとでござるなご相伴衆、拙者が持てばこの棹、正しく手槍となりましょうがな、ケ、ケ、ケ、ケ、態ア見やがれ! これでも吐かさねえと云うのなら今度こそ手前の土手っ腹だ。田楽刺し、八目刺し、ないしは菱鉾の刳り刺し、お望み次第突き刺して見せる? どうだ大将、否か応か!」
棹を手もとへ引き寄せると、グルリ返して石突きの方をトンとばかりに床へ突いた。それから顔をグイと突き出し、三白眼をカッと開け、歯の間から長い舌をペロリと吐いたものである。