Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
四
どうぞご神水をくださりませ
これが彼女の子守唄であった。
四
みんなの様子は親しそうであった。虐げられた人間が、虐げられた人間同志、憐れみ合い助け合うように、みんなは仲よく塊まっていた。
とまた闇の中から足音がした。
菰を冠った人間が、杖を突きながら現われた。
「火があるね、あたらせておくれ」
嗄れた声でこう云った。
で人達は空席を設けた。
その男はそこへ割り込んだ。その頭には毛がなかった。銅のようにテカテカ光っていた。
とまた闇の中で足音がした。一人の出家が現われた。千切れた法衣を纏っていた。顔の真ん中に穴があった。深い三角の穴であった。鼻が融けてなくなっていた。
こうして次第に癩人達が、焚火の周囲へ集まった。
十四五人の人数となった。彼らはポツポツ話し出した。
「まだ今夜は出ないそうな」
頭巾を冠った癩人が云った。
「山県屋敷の方へ出たそうな」
十八九の癖に頭髪の白い、片眼の癩人がこう云った。
「道鬼様、道鬼様、道鬼山本勘助様、ああいう偉いお方にも、どうすることも出来ないのかな」
誰とも知れずこう云った。
「工場の仕事で夢中だそうな」
誰とも知れずこう云った。