Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
四
一人は小太刀、一人は木刀、いずれも腰に手挿んでいた。木刀を手挿んだ一人の方が、肩に薬箱を担いでいた。一見お供と見えるけれど、話の様子では友人らしい。
木刀の主が塚原卜伝、もう一人の方が直江蔵人、大声で愉快そうに話して行く。
「気の毒だな、俺が持とう」蔵人は薬箱へ眼をやった。
「それには及ばぬ俺が持つ」卜伝は薬箱を揺すり上げた。
街道の左右の耕地では、カッと菜の花が咲いていた。曇天だけに色が冴え、眼眩むばかりに明るかった。
二人は甲府へ行くのであった。
富士の裾野鍵手ヶ原、直江蔵人の療養園へ、この数日来癩患者が、十人二十人と詰めかけて来た。蔵人はすっかり驚いてしまった。そこで彼は彼らに訊いた。そうして甲府の乱脈を知った。悪病の主? 火柱の怪! 彼はそれらを知ることが出来た。
「ははあ奔馬性癩患だな」
早くも彼は直覚した。
「しかし奔馬性癩患は、根絶やしになっている筈だ」――そこで彼は癩に関する、色々の文献を調べて見た。
泰西では古く聖書にあった。「癩病は浄められん」こう基督は云っている。東洋にも古くからあったらしい。既に論語にも現われている。「伯牛疾あり子之を問ふ、斯人にして斯疾あり」