Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme

Aozora Bunko

「日本国津々浦々へ行き渡っていることでござろうよ」

「欲しいものだ、是非欲しい。せめて百粒、せめて千粒……」

「ご同様だ。愚老も欲しい」

「俺は早速試みて見た。長江美作が気の毒にも、癩を病んで命旦夕、そこで一粒を投じてやった。ところがどうだ。ところがどうだ!」

「起死回生でござったかな?」

「うんそうだ、悉く全快」

「愚老は伜へ試みてござる。次男冬次郎労咳を患い、頼み尠く見えましたので、早速一粒を投じましたところ……」

「ふうむ、やっぱり快癒したか」

「さながら薄紙を剥ぐがよう」

「名薬! 名薬! ……欲しいものだ!」

「実は殿にはこれほどの名薬、ご存じあるまいと存じてな、それで一粒を献じようと、本日参上したのでござる」

「礼を云うぞ、厚い好意だ」

「日本に武将は数多くござれど、愚老の好きは殿一人だ」

「益々有難い、嬉しく思う」

「義侠に富んでおわすからな」

「ナニ義侠? そうでもないが……」

「一つ村上義清のため、信玄御坊と数度の合戦、これ義侠ではござらぬかな」

「なんの、あれは酔狂よ」

「そういう酔狂こそ望ましゅうござる」

「それはとにかくこの名薬、手に入れる工夫はあるまいかな?」