Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
五
だが確かに覗いていた筈だ。やっぱりあの人に違えねえ。……歩いていても坐っていても、眠っていても起きていても、いつもきっとあの大将が、俺を見守っているような、変な気持ちがしたものさ。……だがもうそれともおさらばだ」
船はグングン走って行った。
体がビッショリ湿って来た。厚い濛気の仕業であった。
濛気が薄れ、水の色が見え、やがて正面の空高く富士の全身が現われた。
「ワーッ、富士だあ! お富士さんだあ!」
甚太郎は船の中で飛び上がった。
「お早う、お富士さん! いい天気ですね! 久しぶりの対面だあ。濛気の野郎に遮られて、城の中じゃ見られなかったんだからな。……帰って来ましたよお富士さん! そうだ、去年の秋だった、俺らが城へ行こうとした時、悲しそうな顔をして見送ったが、お気の毒様、帰って来ましたよ」
五
甚太郎ははしゃいでまくし立てた。
「だがね、お富士さん、実のところ、俺らは失望しているんだよ。庄三郎さんはいないんだとよ。うん、そうとも、城の中にはね。そこで仕方なく出て来たのさ。そこでまたまたご探索だ。お前さんの胴っ腹を中心に、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、裾野中探して歩かなけりゃあならねえ。