Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
王岳と向かい合った釈迦岳は、しかし半分醒めかけていた。
と、嵐が次き出した。暁に吹く嵐であった。忽ち木々がざわめき出し、そうして雑草が靡き出した。
新葉を芽まない雑木林は、その枝を空へ帚木のように延ばし、それを左右に打ち振った。また常盤木の群木立は、去年のままの暗い緑を、さも物憂そうに顫わせた。
今、一陣の風が、王岳の、頂きから吹き下して来た。山の麓を落葉松林が、まず真っ先に動揺した。それに続いた杉の林が、間もなくヒューヒューと呻き声を上げた。と、枯草の丘があった。嵐はそれへもぶつかった。そうして枯草を薙ぎ仆した。だが嵐は勢いを弱めず、先へ先へと突進した。、榛木、赤松、黒松。――嵐の進路にあるほどのものは、洗礼を免れることは出来なかった。谷から岩を転ばした。野兎の群を狩り出した。
そうして仮面の城主の袍を、その体を中心にして、左右前後に渦巻かせた。
今や※(「風にょう+(犬/(犬+犬))」、第4水準2-92-41)風が城主を襲った。
いままでは煌々と静かに輝いた、一道の光に過ぎなかった。しかし今はそうではなかった。今は燃え狂う業火であった。全くそれは活き不動であった。