Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
それはきわめて古風な船で且つ見慣れない形である。帆が無数に釣ってあるがいずれも横に並んでいる。そうしてその色は血のように赤い。人が三人乗っていたがいずれも赤袍を纏っている。
船が進むに従って、群がり飛んでいた水鳥が、ムラムラと船首へ群がって来てまた雪のようにパッと散るのが、物皆な静かな風景の中で唯一つ動くものの姿と云えよう。
岸を離れる二反余の所で、船は静かに帆をおろした。と、一人が船首へ立ち、
「子供子供何をしておる?」甚太郎へ声を掛けた。
「へ、畜生、馬鹿にしてらあ」
甚太郎は憤慨した。「ひとを子供だって云やあがる。そんな奴とは交際ってやらねえ」
で甚太郎は返辞をしない。
「子供子供どこへ行くつもりだ? 子供子供、何故返辞をしない?」
「子供子供子供子供、二百遍でも云うがいい。俺は返辞をしねえばかりさ」
甚太郎はゴロリと寝た。草の上へ腹這いになり、両肘を曲げて顎を支え、支えた顎を前へ突き出し、ふてぶてしく睨むのである。
不思議に思ったか船中では、何かヒソヒソ話し合っていたが代って一人船首へ出ると、
「鳥刺殿、鳥刺殿」
言葉を改めて呼んだものである。
するとムックリと甚太郎は鎌首を立てて延び上ったが、