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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

自分はただ、あせるばかりだ。不思議な光よ、というような事を書いたのである。いつか、兄さんに見てもらおうと思っている。兄さんは、いいなあ。才能があるんだから。兄さんの説に依れば、才能というものは、或るものに異常な興味を持って夢中でとりかかる時に現出される、とか、なんだか、そんな事だったが、僕のようにこんなに毎日、憎んだり怒ったり泣いたりして、むやみに夢中になりすぎるのも、ただ滅茶滅茶なばかりで、才能現出の動機にはなるまい。かえって、無能者のしるしかも知れぬ。ああ、誰かはっきり、僕を規定してくれまいか。馬鹿か利巧か、嘘つきか。天使か、悪魔か、俗物か。殉教者たらんか、学者たらんか、または大芸術家たらんか。自殺か。本当に、死にたい気持にもなって来る。お父さんがいないという事が、今夜ほど、痛切に実感せられた事がない。いつもは、きれいに忘れているのだけれども、不思議だ。「父」というものは、なんだか非常に大きくて、あたたかいものだ。キリストが、その悲しみの極まりし時、「アバ、父よ!」と大声で呼んだ気持もわかるような気がする。

母のあいより    なおもあつく

地のもといより   さらにふかし