Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
僕は顔をそむけた。こんな女のひとをも、キリストは、愛してやったのだろうか。家を飛び出したら僕もまた、あんな女と平気で冗談を言い合うようになってしまうのだろうか。いやなものを見たわい。のどが乾く。ミルクを、もう一つ飲もう。わが未来の花嫁は、かの口吻突出の婦人にして、わが未来の親友は、かの全身ポマードの悪臭高き紳士なり。この予言、あたります。外は、ぞろぞろ人の流れ。みんな帰るべき巣を持っているのだろう。
「おや、お帰りなさい。きょうは、お早かったじゃないの。」
「うむ、仕事の話がいい工合にまとまってね。」
「それは、よござんした。お風呂へおいでになりますか?」
平凡な、そして静かな憩いの巣。僕には、帰るところがない。落第坊主。なんという不名誉だ! 僕は今まで、落第生というものをどんなに強く軽蔑していたか知れやしない。人種がちがうものだとばっかり思っていたが、あにはからんや、僕の額にもはっきり落第生の焼鏝が押されてしまった。新入でござんす、よろしくお願い致します。
諸君は四月一日の夜、浅草のネオンの森を、野良犬の如くうろついて歩いていた一人の中学生を見かけなかったか。