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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

財産を知らせないとか何とか下品な事を言っていたぜ。でも、そいつは重大じゃないんだ。本当は、僕たちが、いけなかったんだ。」

「なぜだ。どこがいけないんだ。僕は、失敬して寝るぜ。」兄さんは、寝巻に着換えて、蒲団へもぐり込んでしまった。僕は部屋を暗くして、電気スタンドをつけてやった。

「兄さん。姉さんが泣いていたぜ。兄さんが、毎晩そとへ出てお酒を飲んで夜おそくまで帰って来ないと言ったら、姉さんは、めそめそ泣いたぜ。」

「それあぁ泣くわけだ。自分でわがままを言って、みんなを苦しめているんだから。進、そこから煙草をとってくれ。」兄さんは寝床に腹這いになった。僕はライタアで、煙草に火をつけてあげて、

「そうしてね、進も兄さんも、下谷の家が大きらいなんだろう? って言ってたぜ。」

「へえ? 妙な事を言いやがる。」

「だって、そうだったじゃないか。いまは違うけど、前は、兄さんだって下谷の家へ、ちっとも遊びに行かなかったじゃないか。」

「お前も行かなかったぞ。」

「そう、僕も悪かったんだ。なにせ、柔道四段だっていうんで、こわくってね。」

「俊雄君の事も、お前はひどく軽蔑してたぜ。」