Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
第一巻
一
曾て岸本の二番目の男の児を引取って養おうと言ってくれたこともあった。しかし、頑是なく聞分けのない子供は一週間と友人の家に居つかなかった。結局岸本は二人の子供を手許に置き、一人を郷里の姉の家に托した。常陸の海岸の方にある乳母の家へ預けた末の女の児のためにも月々の仕送りを忘れる訳にはいかなかった。彼はもう黙って、黙って、絶間なしに労作を続けた。
岸本の四十二という歳も間近に迫って来ていた。前途の不安は、世に男の大厄というような言葉にさえ耳を傾けさせた。彼は中野の友人に自分を比べて、こんな風に言って見たこともある。友人のは生々とした寛いだ沈黙で、自分のは死んだ沈黙であると。その死んだ沈黙で、彼は自分の身に襲い迫って来るような強い嵐を待受けた。
第一巻
一
神田川の川口から二三町と離れていない家の二階を降りて、岸本は日頃歩くことを楽みにする河岸へ出た。そして非常に静かにその河岸を歩いた。あだかも自分の部屋のつい外にある長い廊下でも歩いて見るように。
その河岸へ来る度に、釣船屋米穀の問屋もしくは閑雅な市人の住宅が柳並木を隔てて水に臨んでいるのを見る度に、きまりで岸本は胸に浮べる一人の未知な青年があった。