Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 81.739 Zeichen · 164 Bildschirme
八月二十三日
ステーションで一人久米氏そっくりの大学生で同じような人を見る。夜、久米氏の母上見え、種々話が出、いかにも久米氏を此上ないもののように思って居られる様子がありありと見えて面白いことだと思った。家へ帰って非常に落付いた安心を得て、皆で喋りながら心持よくねた。小西の風呂に行く。小供がすき見をするので気が気でなかった。
八月二十三日(水曜)
雨が降って居る。わびしい。東京の町に居てさえ、どことなく力づよい心持がするのを、こう云う山中の淋しい淋しいところに居るとすっかり心持が滅入ってしまう。山の姿も見えず、一体の霧雨に掩われたところに、しょぼしょぼした笠の百姓が歩いて行く。朝母様の所から手紙が来て、国男の夢を見て心配して居るとか鳥の工合が悪いとか云っておよこしなさったので、すっかり帰る決心をしてしまった。あんな理智的な母上でも旅先に居るこどものことは安心出来ないと見える。有難いことだ。立岩の夫人見ゆ。高村の婆西瓜を持って来る。立岩夫人はなかなかの利口もの。久米氏夫人の妹らしき人なり。姉妹ともこの村にない学士の子をもって、鼻がさも立そうに見える。
八月二十四日(木曜)