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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろきちこうし

治郎吉格子 名作短編集(一)

吉川 英治

Lesen Sie 治郎吉格子 名作短編集(一) (じろきちこうし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.609 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

召しあがりましたか」

「うむ、やってみたよ、あいつはきくなあ」

「そのうちにまた、厦門船が入りましたら、お届け申すように取りはからいましょう」

「せいぜい、久米一のために、不老長寿の食い物を探してくんなさい。何しろ山にはロクな物はねえからの。おれが老い込むと、色鍋島は亡びるぜ、つまりは、そっちの損にもなる」

「分っておりまする」使者の頼母は、さっきからムカムカしている我慢が、フッと顔に苦く出たので俯向いたが、ぴったり、胸を張って改まった。

「時に久米一殿」

「なんだな、殿様のお言伝か」

「左様。そのため俄に参じた次第。ほかではないが、折入ってのお頼み、一世一代のお気組で、御用登りの窯にかかっては下さるまいか」

「はてな。御用窯にかかるのは、三年に一度の掟、去年、三彩獅子と牡丹絵の瑠璃花瓶を焼き上げて将軍家と御城内へ一つずつやってある筈だが」

「さ、それについてでござる」

「気に入らねえのか」

「滅相もないこと、三彩獅子を御覧ぜられて、将軍家の御感一通りでなく、殿、御上府のせつは、偉い面目をほどこしたそうでござる」

「なアにお前、将軍家なんぞに、この久米一の仕事が分って堪るものか。