Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
そんな筈はない!」
「何故な?」と優婆塞は微笑した。
「ひどく予想と異うからだ。……光明優婆塞ともあろうものが地に跪坐いて泣く訳がない」
「悲しければ誰でも泣く」
「光明優婆塞ならもっともっと勇士でなければならない筈だ」
「では私は勇士ではないのか?」
「光明優婆塞ならもっともっと風采雄偉であるべき筈だ」
「そう私は貧しげなのか?」
「お前は喪家の犬のようだ。お前は路傍の乞食のようだ」
「そうだ、それは中っている」
「聖者の威厳などどこにもない」
「なんの私が聖者であろう」
「お前は牢屋の囚人のようだ」
「そうとも私は罪人だ」
「大木の蔭の草のようだ。日の目を見ない人間のようだ」
「事実私はそうなのだ。大きな大きなある力にいつも私は押し付けられている」
「これまで逢った人間の中、お前のように憐れ気な者は、かつて他に一人もない」
「私はあらゆる人間の中で、一番憐れな人間なのだ」
「不思議だ!」
と突然陶器師は、躍り上がって絶叫した。
「そんなに憐れ気なお前だのに、そのお前を斬ることが出来ない!」
「何故だろうな?」と優婆塞は訊いた。
「何故だろう? 解らない! ただ俺には斬れないのだ」
「何故だろうな?」