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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme

Aozora Bunko

た。

その老人とテーブルを隔て、寝椅子に並んで腰掛けているのは、例の青年と乙女とであったが、その青年こそ他ならぬ直江主水氏康で、そうして乙女は松虫であった。

仕事の後の快い疲労で、いくらか三人はだるそうに見えたが、しかし愉快そうに話し合っていた。

さまざまの部屋の装飾のうち、壁にかけてある織物が、とりわけ珍らしく立派であった。それには堂塔人物などが、きわめて古風に異国的に、色糸をもって刺繍されてあった。

埃及模様の壁掛けなのである。

馥郁とした芳香が、部屋をふっくりと包んでいるのも、花瓶に生けられた花のためではなく、何か化学的の香料が、どこかに置かれてあるからであろう。天井から釣るされた龕灯の灯も、眼を射るような白色ではなく、軟い眠りを催うような、菫のような色であった。

戸外は寂しい秋の夜で、どうやら嵐さえ出たらしいのに、この部屋の内は暖く、今にも音楽でも鳴り出しそうであった。

「信玄公より謙信公が偉い? ほほう、それはどうしてだな?」

こう云ったのは蔵人で、赫ら顔で長身肥大、雪のように純白な手術衣を纏い、半白の長髪を肩へ垂れた、その風采は神々しかったが、日本的とは云われなかった。