Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme

Aozora Bunko

……延ばそうとしても延びません。……痛い痛い体中が! おお、おお、足が動かなくなった。……体がだるくてなりません。……足が引き釣ってなりません。……指が! 指が! 十本の指が! 鉤のように曲ってしまいました。……眼をつむることが出来なくなった。……ああ厭なものがヌラヌラする。……」

だが人々は祝し合った。

「神様がお祝いなされたのだ」

「めでたい婚礼だ。めでたい婚礼だ」

「お顔を見たか! 神々しかったことは!」

「お体から後光が射していた」

しかし花嫁は呻きつづけた。二町あまりも行った時、急に前のめりに昏倒した。

忽ち混乱が湧き起こった。一人の老人が花嫁を抱いた。無数の提灯が差し付けられた。

その時、花嫁の綿帽子が取られた。

そこには花嫁の顔はなく、見も知らないところの妖怪の顔が、婚礼の晴着の襟を抜き、ヌッと提灯の火に晒らされていた。

その顔色は鉛色であった。無数の紫の斑点が、痣のように付いていた。額はテカテカ銅のように光り、眉毛と睫毛とが抜け落ちていた。もちろん頭髪も脱落し、前額は奥まで禿げ上がっていた。眼! そうだ! 眼を見るがいい眼ばかりはカッと見開いていた。