Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme
溜息をする者、啜り泣く者、列を放れてよろめく者、恐怖と疲労とで若者達は、萎え切っているように思われた。
二町余りも歩いた頃であった、逃走しようとしたのであろう一人の若者が列から離れ、谷の中へ飛び込んだ。
と、弓を持った一人の武士が、立ち止って谷を覗き込んだ。ピーンと弦音がしたかと思うと、谷底から悲鳴が聞こえて来た。
何んの動揺も来なかった。
粛々と一隊は進んで行った。
グルリと道が迂廻した時、にわかに光景が一変した。岩組も谷も影を隠し、切り立ったような山の斜面が、左右に聳えている真ん中を、ウネウネと道が付いていた。山の左右から道の方に向かい、打ち重なった喬木が、枝葉を交えているために、空を見ることが出来なかった。
それは隧道と云うべきである。
隧道の中を行くのであった。
数町歩いた頃である、その隧道の遥か行手に、一点の火光が見えて来た。
と、そこから笛の音が、鋭く一声聞こえて来た。
第二十回
一
甲府を荒らした悪病も、やがて終熄する時が来た。
一人の聖者が現われて、犠牲的の行動をしたからである。と云って決してその聖者は、「紫の法衣をお召しになり、金襴の袈裟をお懸けになり、片手に数珠、片手に水盤、刺繍をした履を穿いた」