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Japanische Klassiker mit Furigana

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じけいろく

自警録

新渡戸 稲造

Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme

Aozora Bunko

輿論を標準として成敗は測られぬ

人がある。しかるに実際は平坦な道を、荷物もなく折々休みながら、鼻唄うたって通ったに過ぎぬ。

しかるに世人の多くは十里歩いた人の話を聞いて成功とはなかなか言わない。まず第一に十里ぐらいはなんだと嘲りを心に催す。この種類の人も僕が出立するときに、今日は十里の散歩をしようと、心に定めたことを度外視してわが輩の遠足を測る。して十里の道ならば子供でもゆける、車引などは一日に三十里もゆく、普通の人間でもせめて二十里も歩かなければ、健脚を誇る権利はないなどという。わが輩は車引でもなく、また健脚を誇る考えのないことなどは心のうちにおかない。

古人の言に、

「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」

とて、小人が英雄の心事を解し得ぬに譬えたが、この句は独り人物の大小の差を示すのみにあらで、小人と小人の間にも、大人と大人との間にも当たる言である。

輿論を標準として成敗は測られぬ

リー将軍の治績を顧みても、これに変わったことはない。彼に私淑する者は、彼の寡をもって北方の衆に敵し得たとか、南軍の貧をもって北軍の富に当たった、某戦場においては某将軍を破った、某月某日には某所において漲る流れを冒して川越えをなしたとか、その他かくのごとき逸事がある、かくのごとき軍功があると、言を極めて彼の徳と彼の力を称揚する。