Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 144.106 Zeichen · 292 Bildschirme
二
「あんな達者な婆さんがね」
「死んでみたら、あんなに骨を折って溜めた金を、みんな娑婆へ遺して来た事に気が付いたってね」
と八五郎。
「そこへ行くとこちとらは死んだとき未練がなくていい」
「その代り、生きている時は張合がない」
平次と八五郎の話はいつでもこういった調子です。花が散ってからはすっかり御用も暇で、無駄を言い言い、植木の世話でもするより外に所在もない二人だったのです。
「そう言えば、先刻鳴子屋の下男の七平に、親分の家の前で二度逢いましたよ」
八五郎は妙なことを言い出しました。
「変だね、お釜婆さんが死んだのはいつだえ?」
「昨日の朝、死んでいるのを見付けたそうで」
「そいつは何か曰くがありそうだ、気の毒だが、八」
「ヘエ――」
「ちょいと路地の外を見て来てくれ。七平がまだその辺にウロウロしているなら、否応言わせずにつれて来るんだ」
「ヘエ――」
獲物の匂いを嗅いだ猟犬のように、八五郎は外へ飛出しました。こうして瓢箪から駒が出るほどの大きな騒ぎになったのです。
二
「こっちへ出るがいい、何を遠慮するんだ」
八五郎は鳴子屋の下男七平を引立てるように路地を入って来ました。