Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
六
「ヘエ――」
二人はいつの間にやら大川端に出ておりました。
「明日は一つ狸退治だ。畜生ッ、その時こそ逃しはしねえぞ」
六
翌る日の狸狩りは、本所中の物笑いの種になりました。
銭形の平次は、子分のガラッ八を伴れて神田からわざわざやって来ると、利助の子分を十人ばかり駆り集めて、西は大川、東は業平橋、南は北割下水、北は枕橋の間を、富士の巻狩りほどの騒ぎで狩り出したものです。
平次は脚絆に草鞋といった装束で、手槍を担ぎ、子分達はさすがにそれほど大袈裟には用意しませんが、それでもいい若い者が、百姓一揆みたいに、竹槍まで提げて押し廻したのですから、本所中はお祭のような騒ぎ。
朝から始まって夕刻まで、藪という藪、林という林、墓地から田圃から、町家の裏、軒の下、下水の中まで探し廻りましたが、狸はおろか狐も狢も飛出しはしません。見かけたのは野良犬とドブ鼠がせいぜい、野次馬がゾロゾロついて歩いて、江戸っ子特有の辛辣な皮肉を浴びせるので、子分達は顔を赤くするような有様です。
陽が暮れて引揚げる時、利助の子分に一分ずつはずんだので、その方の悪口は封じましたが、世間の噂はまことにさんざん。