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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「ヘエ――」

ガラッ八の八五郎は、それでも素直に立上がって今叱られたばかりの狭い袷の前を引っ張りながら縁側から入口を覗きましたが、何を見たか、弾き返されたように戻って来て、

「親分、た、大変」

日本一の酸っぱい顔をします。

「何だ、騒々しい」

「石原のが来ましたぜ」

「利助兄哥か」

「いえ、娘のお品さんの方で――」

「何だ、早くそう言えばいいのに、丁寧にこっちへお通しするんだ。それから、お茶を入れる支度をしてくれ、――いつまでもそんなところに突っ立ってる奴があるかよ、坐って取次ぐんだぜ、膝っ小僧に気を付けな、お品さんに笑われるじゃないか」

平次は小言を言いながらも、この面喰らった正直者を、庇うような眼差しで見送りました。

二

お品というのは、石原の利助――平次と事ごとに張合った、本所の御用聞――の一人娘で、この時二十二三だったでしょう。二三年前一度縁付いて、夫に死なれて父親の許へ帰って来ましたが、若後家というよりは、いかにも娘々した、水の滴りそうな美しい女振りでした。

襟の掛った黄八丈、妙に地味な繻子の帯を狭く締めて、髪形もひどく世帯染みてますが、美しさはかえって一入で、土産物の小風呂敷を、後ろの方へ慎ましく隠して、平次の前へ心持俯向いた姿は、傲慢で利かん気で、苦虫を噛み潰したような顔を看板にしている親の利助とは、似