Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
二
世の政治家という概念からみると、非常にうち解けた感じで、私は四十年前政治記者として、明治大正の多くの政治家にも逢っているが、その中では、何人かの親しみ深い政治家の一人といえるだろう。この人柄は単純で強さは感じさせるが、世にいう政治家らしい空々しさや無気味なところはなく、私の老妻が、首相を前にして、「お目にかかるまで、怖いお方かと思っておりました」と無遠慮なことをいうと、吉田首相莞爾と受けて「実際お逢いになってみると少しも怖くはないでしょう」とすこぶる上機嫌であった。その時一座したお歴々は、自由党の幹部会ほどの顔ぶれであったが、その中で、抜群の座持ちは吉田首相であり、諧謔に富んだ明るい応酬は、なかなかに忘れ難い。やはり外交官としても、一流の人であったという感じであった。
もし首相が、文学青年的な愛読書を列挙したとしたら、一部の青白きインテリは喜ぶかもしれないが「銭形平次」を読むと言い切ったほどの人気は湧かなかったであろう。「銭形平次」の著者なる、私がそう考えることを許してもらいたい。
二
もう一人かつての総理大臣芦田均君は、一高で席を並べた、間違いもない私の同窓の一人である。