Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

六

「その通りさ」

「なら、プンプン麝香を匂わせた板倉屋が、側へ寄って自分の刀を抜くのを待っているはずはねえ。白旗直八は自分の腰の物で刺されたんだぜ」

平次はようやく鋭い鋒鋩を現わしました。

「そいつは何とも言えねえよ、腰の物は鞘ごと抜いて、どこかへ置くこともある」

「鞘は白旗の腰にあるんだ、そんなはずはねえ」

「とにかく、俺の見込みが違ったら坊主になるまでだ。銭形の、夜の明けるまでが楽しみさ」

三輪の万七はもう一つ皮肉な微笑を残してさっさと出て行ってしまいました。

六

「親分さん、――お願いですが」

「何だ、お勢じゃないか」

平次は思い詰めた女の眼を見ました。

「板倉屋の旦那などの御存じのことじゃありません。なんとかして助けて上げて下さい」

「何を言うんだ、お勢。俺も板倉屋を疑っているんだよ、ことによると、俺の方が坊主になるかも知れない」

平次は冷静な笑いに紛らせて、奥へ行きそうにするのでした。

「親分さん、待って下さい、実は、実は――」

「私が殺しました――なんて言わないでくれ、下手人がもう一人増えると、手数が多くなるばかりだから」

「でも本当に私が殺したら、どうしてくれます。