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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

五

五

翌る日の朝、――

卯刻半(七時)前に八五郎は叩き起されました。

「八、今日も歩くんだぜ」

「ヘエ――どこまで行くんで」

「まあ、黙って来るがいい」

平次は池の端の江島屋へ行って、番頭の太兵衛を誘い出したのです。

「番頭さん、品川の大黒屋には、怪しいのは一人もねえ、――仲人の佐野屋夫婦は、馬の先に立って歩いているし、千両箱には手も掛けないから、これは疑いようはねえ」

「すると」

太兵衛は擽られるような不安に顔を上げました。

「一番損なのはお前だよ、番頭さん」

「ヘエ――」

「金は途中で抜かれたに違いないが、馬の後から歩いて来たお前が知らなきゃどうかしている。馬を曳いて行った三次とお前が馴れ合えば、小判を砂利に替えられない事もない」

「冗談でしょう、親分さん、私は――江島屋の子飼いで、白鼠といわれた私が、そんな馬鹿なことをするものですか」

太兵衛はいきり立ちます。中年者らしい頑固さが、相手の身分も、事情も忘れさせるのでしょう。

「それじゃ、池の端から品川へ行った道筋を一昨日の通り歩いてみてくれ。――どんな細かい事でも思い出して、話すんだ」

「行きましょう。こうなりゃ、唐天竺までも参りましょう」