Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
五
申しましょう。お願いでございます、藤次郎に否応言わせないように、ほんのしばらく親分のお顔を拝借さして頂けませんか」
お勢はそう言いながら、なよなよと平次の肩へ、くずおれた紫陽花のように凭れかかるのでした。
平次が点頭いたことは言うまでもありません。
間もなく、お勢の叩く拳につれて、格子は内から開いて、ヌッと出たのは、醜い男の顔と、赤い手燭でした。駆け寄って囁くお勢に、何やら苦い顔を見せておりましたが、お勢が身を避けて、手燭の灯を平次の顔一パイに浴びせると、男はギョッとした様子で、物も言わずにお勢を引入れます。
「有難うございました、親分さん」
お勢は格子を潜りながら、こちらを向いて、少し大袈裟に礼を言いました。その後ろに立った藤次郎は、妙にギゴチない表情で、凝と女の一挙一動を見詰めております。
五
翌る日。
「お品さん、ガラッ八はとうとう来ませんね」
「どうなすったんでしょう」
夜っぴて活動した平次は、朝のうちに利助のところを訪ねましたが、昨夜から待った、好助手のガラッ八はとうとう姿を見せません。
「何かに引っかかっているんでしょう、仕様のない奴だ」
「お手伝いなら、家の若い者じゃどうでしょう、二三人ゴロゴロしていますが」