Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
三
三
銭形平次一代のうちに、この時ほど大手柄を立てた事はありませんが、平次自身に言わせると、この時ほどの失策はなかったと言います。
とにかく、石井平四郎の倅と、他の六人の子供の行方不明の関係には、何かしら、重大な不一致点がありましたが、今さらそんな事を詮索してもいられません。ガラッ八を督励して、品川から深川一円をあさっていると、誘拐された子供は、悉く暴力で連れて行かれた事の外に、日中も、夕方も、時刻かまわず人をさらっているくせに、場所だけは例外なしに、海か河か、とにかく水に近いところでやっている――という特色を掴むことが出来ました。
「泣きわめく子供を連れて、町の中を逃げるわけには行くまい。やはり、船かな」
平次の最初の手掛りはこれでした。
それにしても、さらわれた子が、一人残らず、かき消すように見えなくなるのは容易なことではありません。江戸の子を長崎へ連れて行っても、大坂の子を江戸へ連れて来ても、言葉遣いだけでもすぐ身許が露顕しなければならぬはずです。
「切支丹がさらって行って、生胆を取るんじゃありませんか――世間ではそう言っていますよ」
「馬鹿な」
ガラッ八の疑いを一笑に付しましたが、物を理詰めに考えることの出来ない人達は、生胆伝説と結び付けて考えるのも無理のないことでした。