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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

「いいてえことよ、誰も八五郎を誘拐の曲者だと言う気遣えはねえ」

「…………」

ガラッ八は黙って立上がりました。

「まだ早いよ、陽の当ってるうちはいけねえ、暗くなったらやってくれ」

「ヘエ」

平次の言い付けは善悪ともに黙って聴くガラッ八ですが、この脅迫状の投込みには、さすがに驚いた様子です。

が、どうやらこうやら、それも無事に済みました。

翌る日の朝。

「銭形の親分さんはこちらで――」

石井平四郎の女房お君は、召使も連れず、たった一人で神田の平次を訪ねて来たのです。

「おや、御新造、こんなに早く、何か変ったことがありましたか」

平次はお静とガラッ八を眼で遠慮させて、お君を奥へ通しました。

「来ましたよ、親分」

「ヘエ」

「やはり親分のおっしゃった通り、百両出せと言って手紙が来ましたよ、少し手跡が違うようでしたが相変らず鼻紙へ書いた拙い字で」

「そうでしょう、ずいぶん念入りに拙い字でしょう」

平次は場所柄にも似ず、莞爾としました。ガラッ八の書いた字を、お君が拙いと言ったので可笑しかったのです。

「それから主人と相談して、裏口の土台石の下へ百両入れました、〈一日も早く子供を返して下さるように、この上延び延びになると、お春の二の舞が始まるかも知れない。