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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

「何? 乙松の迷子札?――やはり子供は承知の上で返したんだね」

平次の言うのは尤もでした。行方不明の子供の迷子札が、親の財布へ入っているのは、そうでも考えなければテニヲハが合いません。

「親分さん、それは、昨夜私が入れてやったんですよ」

お北は変な事を言い出しました。

「何? そいつは話が違って来るぜ。父さんの財布へ五つになる倅の迷子札を入れたのは、何か呪禁にでもなるのかい」

「いえ、父さんが入用なことがあるから、乙松の迷子札を出せって、手箱から私に出さして、財布へ入れて出かけたんです」

「どこへ行ったんだ」

「半刻経たないうちに帰ってくる、銅壺の湯を熱くしておけ――って」

お北はその時の事を思い出したらしく、また新しい涙に濡れます。

「近いな」

平次は独り言のように言って、それからいろいろと調べましたが、その上はなんの手掛りもありません。

叔母のお村は四十七八、伊之助には義理の妹で、お北の知っているほども、事情を知らず、家の中は出来るだけ捜してみましたが、文字の読めない伊之助は、書いた物というと、毛虫よりも嫌いだったらしく、大神宮様の御札と、仏様の戒名より外には、何にもありません。