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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

そう言うだけ。

「千代松が怪しいとは思わないか、お関さん、この男はこの縁談を一番打ち壊したがっている様子だが――」

「そんな事はございません、――千代松は気の弱い正直者です。そんな大それた事をする千代松じゃございません」

千代松のこととなると、お関は必死と涙の顔をふり上げます。

平次とガラッ八は、これっきりで大黒屋を切り上げました。これ以上粘ったところで、何の目星も付きそうにはなかったのです。

引揚げ際に、砂利を詰めた三つの千両箱を見せて貰いたいと言うと、千代松は裏の物置に案内してくれました。

「旦那は見たくもないと言って、ここに投り込みました。――この通り」

鍵も何にもない物置の中に、砂利を詰めた千両箱が三つ、ガラクタと一緒に投り込まれてあったのです。

物置の外へ出ると、ポツポツ雨が降り出して来ました。隣の長谷倉甚六郎の浪宅からは、何やら素読を教える声。

「八、大急ぎで帰ろうぜ」

平次は何となく淋しい心持で往来に飛出しました。金に支配されて、泣く者、怒る者、命まで投げ出そうとする者、その種々相が、江戸っ子で貧乏で、三両も三千両も同じように考えている平次には腹立たしかったのです。