Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
引起して明り先に死体の顔を持って行くと、日頃さざ波のように寄せている微笑は消えて、――何という悪相でしょう。少し脹れっぽい顔には、微塵も又六の柔和なおもかげが残ってはおりません。
「おッ」
平次も、ガラッ八も、思わず顔を背けました。獲物を覘う吸血鬼のような、ギョロリとした死骸の眼が、二度と見られないような物凄いものだったのです。
小屋の者は一人残らず、埃を叩くように調べ上げられました。が、宵のうちに又六は帰ったと言うだけで、ここに踏み留まっていたのさえ知らなかったくらいですから、下手人の見当などは、まるっきり付きません。
筋合から言えば、勘兵衛の元の女房のお倉が、一番疑われる立場にいるわけですが、この時はまだ二三日前に許されたばかりですから、どんな大胆な女でも、見張りの目を誤魔化して家を抜け出し、大それた人を殺す隙があるわけもなく、第一、たった一と突きで息の根を止めたのは、鑿が鋭利だったにしても、女の業には容易のことではありません。
巳之吉は真っ先に挙げられましたが、これは万七の気休めみたようなもので、何の役に立つほどの事も知ってはいなかったのです。