Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
「ちょっとの間見えなくなったわけだね」
「ほんのちょっと、煙草一服喫う間もありません。私は大急ぎで追っかけたんですから」
「江島屋のすぐ前でやったのは恐ろしい智恵だ」
平次は何を考えたか、その辺の路地を二つ三つ覗いてもう先へ進もうともしません。
「ここで千両箱の中の小判を砂利に詰め替えたというんですかい、親分」
太兵衛はムッとした様子です。
「…………」
「そんな暇はありゃしません。私は馬から十間とも遅れなかったんだ」
「…………」
平次はしかしそれには応えようともしません。
「親分」
ガラッ八は平次の顔に動く表情から、事の重大さを読みました。
「十一屋へ行ってみよう、たぶん駄目だろうが」
と平次。
三人は飛脚屋の十一屋へ取って返しました。
「親方、三次は? 昨夜から帰らないだろう」
飛込んだ平次。
「酔払って帰りましたが、今朝はまだ起きて来ませんよ。昨夜勝負事で更かしたようで」
「大急ぎで逢いたい。その寝ているところへ案内してくれ」
「ヘエ――」
十一屋の親分は不承不承に立上がりました。三人を案内して、厩の後ろへ廻ると、そこは中二階になって、三次の万年床が筵の蔭に敷いてあります。