Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
七
平次は遠慮もなくまくし立てます。
「無礼者ッ、何を言うのだ」
「脅かしっこなしに願いましょう。――額に古傷を描いて、番頭の太兵衛に道を訊き、ちょいと馬から遅らせたのは旦那の前だが、大した働きだ」
「黙れッ、無礼者ッ」
「だが、三次を殺したのはやりすぎですよ。旦那、人の命さえ取らなきゃア、この平次は眼をつぶって上げたのに」
「己れッ」
いつの間に抜いたか、長谷倉甚六郎の手に閃く一刀、平次の肩先へ電光のごとく浴びせるのを、引っ外して懐へ入った右手、それが颯と挙がると、得意の投げ銭、七八枚の四文銭が、続けざまに飛んで、――二つ三つは除けましたが、幾つ目かは甚六郎の額を打ち、顎を打ち、肘を打ちます。
「御用ッ」
「神妙にせいッ」
平次の袖の下を掻いくぐって飛込む八五郎、その鼻の先へ白刃がスーッと靡くと、上がり框の破れ障子はピシリと閉じられました。
「八、抜かるな」
「合点」
飛込む二人。が、一歩遅れました。長谷倉甚六郎は、入口の二畳に大胡坐をかくと、肌おしひろげて、一刀をわれとわが腹に突っ立てていたのでした。
七
「気の毒なことに、お関を助けるつもりでやった細工だ。最初はたいした悪気がなかったろう」