Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
違ったところがあったら、そう言ってくれ」
平次は静かに話し始めます。
「よし、聞こう」
一座は固唾を呑みました。夕づく陽は縁側に這って、棺の前の灯が次第に明るくなると、生温い風がサッと吹いて過ぎます。
「お政は近頃年を取って、芸も容貌もだんだんいけなくなってきた。人気はみんな、若くて綺麗なお寿に集まるし、大事な旦那の山口屋まで、お寿の方へ入り浸ってお政には切れ話を持ちかけている――。
お政は口惜しかった。居ても立ってもたまらないほどお寿が憎かった、――お寿を一と思いに殺せば何でもないが、それでは世間の人がお寿が可哀想だと言うだろうし、殺したお政は、世間の憎しみを受けて、処刑台に登らなければならない。人気稼業のお政、世間からチヤホヤされて来たお政には、それでは我慢が出来ない。死んでも人気は落したくなかった。――いろいろ考えた末、第一番に、お寿に水銀を呑まされ損なったと世間に言いふらそうと思い付いた。自分のギヤマンの懐中鏡の水銀を剥がして、清松の大さらいの時、わざと又次郎に見付けさせるようにした――。
その証拠は、お寿の懐中鏡の水銀は傷んでいるが、わざと剥がした跡はない。