Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
といってくれたら、旧阿蒙の老胡堂が、よき友人を持ったことに感激するだろう。――これほどさように芦田君は正直であり、無技巧であり、お世辞などをいわない男である。銭形平次などを読むよりは、やはりチェホフを読んだ方が、お為になることは、銭形平次の著者なる私もよく知っている。
私どもが一高へ入った時、若くて死んだ仏文学者の福岡易三郎君(後の白水社主)が一番で、芦田君はさまで振るわなかったが、学年が進むと共に、河上弘一君と芦田均君が頭角を現わし、爾来卒業まで、この二人が首席を争ったようである。はばかりながら私などは野次馬学の優等で、喧嘩には強かったが、学校の成績の方は、二人の秀才に及びもつかなかった。
芦田君はその頃から怜悧な青年で、三年間下宿屋から一高へ通っていたようである。発祥の地は丹波の篠山だが、お国名物のデカンショ節とは縁が遠く、下宿の本棚には、何やら六つかしいものを列べて置くといった肌合いであったと思う。
一高卒業の時、私は病気になって、摂生室に籠もらされてしまった。そのため幾らかの学科試験を受けることができなかったために、危うく落第をしそうになったが、芦田君がクラスの交渉委員として、先生方を歴訪し、私のためになかなか良い見こみ点を獲得してきたことがある。