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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

でも、二度平次に催促されると、芸人らしく、はっきり見得を切って、

「え――ッ」

気合が一つ、縄はゾロゾロと解けて、死んだ蛇のように、倉松の足許に這います。

「御苦労御苦労、それでいい、――とんだ邪魔をして済まなかった」

平次は、丁寧に礼をさえ言って、小屋の外へ出るのでした。

「親分」

しばらくすると、ガラッ八はたまり兼ねた様子で声を掛けました。

「何だい、八?」

「倉松の野郎を縛らないんですか」

「無駄だよ」

「?」

「縄抜けの名人だ、縛るだけが野暮さ」

「ヘエ――」

「それに倉松は縄を抜けるのが渡世で、縛る方は得手じゃなかったんだ」

ガラッ八は、不服そうに頬を膨らせます。

「それより、あの娘の方はどうした?」

平次は話題を変えました。

「娘?」

「知らばっくれちゃいけねえ。中江川のお琴さんだよ。用心棒に手前を置くのは何のためだと思う」

「…………」

ガラッ八の顔は見物です。

「呆れた野郎だ、若い娘と三日も四日も鼻を突き合せているくせに、まだ埒が明かねえのか」

「親分」

「手前は、あの娘を女房にしたいって言ったろう。だから、俺は粋をきかして、手前を用心棒にしてやったのさ。中江川さんは年寄りで、眼も耳も遠いから、三日経たないうちに、手前とお琴さんは、夫婦約束ぐらい出来るだろうと思ったんだ。