Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
江島屋の口調では、大黒屋の細工と信じきっている様子です。
「付いて行った人達は駕籠かい、それとも徒歩かい」
「佐野屋のお内儀さんだけは駕籠で、あとの二人は歩きましたよ。佐野屋さんの二人は馬の前に立って、太兵衛は馬の後から行ったそうですが――」
「途中で休むような事はなかったろうか」
「番頭を呼んで訊いてみましょう」
良助が手を鳴らすと、平次の姿を見て次の間まで来ていた太兵衛は、四十男の心得た顔を出しました。
「ね、三千両を送って行く途中で、馬に水を呑ませるとか、人間が息を継ぐとか――ともかくどこかで休むような事はなかったのかい」
平次は続けました。
「とんでもない親分さん、三千両に間違いがあっては大変と思い、三里あまりの道をわき眼もふらずに参りました。水も茶も呑むどころの沙汰じゃございません」
少し頑固らしい太兵衛は以ての外と頭を振ります。
「何か途中に変ったところがありゃしなかったかい、喧嘩とか、――出入事とか、お前さんに突き当って、馬から眼を外らさせた奴とか」
「そんなものは、ございません、――御膝元とは言いながら、三千両の大金をこう無事に持って行けるんだから、本当に有難いことだと思いました、それが――」