Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
あわてた振りをして女隠居を殺さなかったのは、後でいろいろ喋舌ってもらいたかったからだ」
「…………」
「一度は易者の大谷道軒を疑わせたが、どんな馬鹿でも、前の晩盗んだ金を、戸締りもない家の仏壇の抽斗に隠すはずはない」
「あの晩、お琴を嫁に欲しいと言わせたのは?」
「平太夫も近頃少し気をもんでいると解ったからだよ。何しろ八五郎といういい兄さんが、女の側に居るんだからね」
「冗談でしょう」
ガラッ八も少しは極りが悪そうです。
「いや、冗談じゃない。髪の白い弱みで、それくらいのことはあったはずだ」
「あの包の中は?」
「黄八丈の財布と、手代を刺した匕首と、お琴を縛った細引の結び目と、――それから毛の先を切ったかもじさ、それを頭巾の下に冠って総髪に見せたんだ」
「どこからそんなものを」
「一度使った物を、あれほどの悪党が持っているはずはない。いずれはどこかへ捨てたに違いないと思ったから、かもじ屋から新しく買って来て、ちょいと先を切って間に合せたのさ」
「ヘエ――」
ガラッ八も開いた口が塞がりません。
「あの晩、いつもの通り飲んで寝ちゃ、手前の命はなかったはずだ、――だから、悪いことは言わねえ、武家の娘などに思いをかけるより、煮売屋のお勘子で我慢しておくのさ、その方が命だけでも無事だぜ」