Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
二
と声を揃えて歌いながら数え、一人ずつ抜かして、最後に残った一人を鬼にするのです。
残った二人は白旗直八と幇間の左孝、二人とも、鬼になりたくてなりたくて仕様のないという人間――雛妓を追い廻して頬摺りするのを鬼の役得と心得ている人間でした。捕まえてさんざん厭がらせをした上、わざと名を間違えると、いつまでも鬼でいられるという術もあったのです。
二
雛妓達が若い張りのある声で「いっちく、たっちく太右衛門どん――」を繰り返しました。鬼にされたのは白旗直八。
「そんな間の伸びた――いっちく、たっちく――があるものか。のけ者にされちゃ、白旗様の前だがこの左孝が不服だ。もう一度やり直して貰おうか」
幇間の左孝は大むくれです。「いっちく、たっちく」はたった二人のうちの一人を選ぶ場合はテンポを伸すか、縮めるかの違いで、奇数にも偶数にもなり、雛妓達が望むままの人を選ぶことが出来たのです。
「間の伸びたのは師匠の鼻の下さ、いっちくたっちくだって除けて通るよ」
お勢は相変らず毒舌です。
「言ったな」
「捕まえられて頬っぺたを嘗められる方が災難さ。目隠しが低い鼻の上へずっこけて選み討ちに捕まえるんだもの、やり切れないよ。