Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
五
お勢は悲しそうでした。この陽気でお侠な女の一皮下には、妙な悲劇的な情緒のあるのを、平次はまざまざと見せつけられたような気がしたのです。
五
「銭形の兄哥、左孝は口を開いたよ」
万七は得意な鼻を蠢かして、平次を迎え入れました。
「なんて言ったんだ、三輪の」
「廊下へ出ると、いきなり、恐ろしい力で突き飛ばされ、欄干越しに、庭へ落ちたことまでは知っているが、その後は、何にも知らねえ――と」
「俺が訊いてみよう」
「それもよかろう」
平次は、万七の皮肉な目を背に感じながら、左孝の枕元へ中腰になりました。どうやらこうやら、人心地ついた左孝は、まだ纏まった事を話せるような容態ではありませんが、それでも、眼だけは物憂そうに動かしております。
「俺が判るだろうな」
「…………」
「お前さんが、二階から突き落されたのと、白旗直八が殺されたのと、どっちが先なんだ」
「私の方が先で」
左孝の唇は繃帯の中にわずかに動きます。
「どうして解った」
「私が廊下へ出たとき、白旗の旦那は、まだ、女どもを部屋の中で追い廻していました」
「お前を突き落したのは、男の手に間違いあるまいな?」
「ヘエ」
「その時、掛け香の匂いがしなかったかい」