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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

淋しい筈だ。

きょうは昼から、英語の単語と代数を、がむしゃらにやった。いやに、むし暑い日だった。タオルの寝巻一枚で、なりも振りもかまわず勉強した。晩ごはんの後のお茶が、おいしかった。兄さんも、おいしいと言っていた。お酒の味って、こんなものじゃないかしらと思った。

さて、今夜は、何を書こうかな。何も書く事が無いから、一つ僕の家族の事でも書いてみましょう。僕の家族は、現在、七人だ。お母さんと、姉さんと、兄さんと、僕と、書生の木島さんと、女中の梅やと、それから先月から家に来ている看護婦の杉野さんと、七人である。お父さんは、僕が八つの時に死んだ。生前は、すこし有名な人だったらしい。アメリカの大学を出て、クリスチャンで、当時の新知識人だったらしい。政治家というよりは、実業家と言ったほうがいいだろう。晩年に政界にはいって、政友会のために働いたのだが、それは、ほんの四、五年間の事で、その前は市井の実業家だった。政界にはいってからの、五六年の間に、財産の大部分が無くなったのだそうだ。僕が財産の事など言うのは可笑しいけど、お母さんは、ひどくその当時は苦労したらしい。