Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
平静な気持で、結婚生活にはいるらしい。相手の鈴岡さんも、もう四十ちかい重役さんだ。柔道四段だそうだ。鼻が丸くて赤いのが、欠点だけれど、親切な人らしい。僕は好きでもなければ、きらいでもない。どうせ、他人だ。けれども、こんな義兄があると何かにつけて心強いものだと、兄さんが言っていた。そんなものかも知れない。でも僕は、義兄の世話になどは、ならぬつもりだ。僕は、ただ、姉さんの幸福を、ひたすら祈っているばかりである。姉さんがいなくなったら、家の中が、どんなに淋しくなるだろう。火が消えたようになるかも知れない。けれども僕たちは我慢するのだ。姉さんが、幸福だったら、それでよい。姉さんは、立派な妻になるだろう。それは、僕が、肉親の一人として、はっきり責任を以て保証できるのです。最高のお嫁さんとして推薦できるのだ。僕たちは、本当に、姉さんには手数をかけた。もし姉さんがいなかったら、僕たちは、どうなったか、分らない。僕は、いまごろは不良少年になっていたかも知れない。姉さんは、弟たちの個性を見抜き、それを温かに育てて下さったのである。姉さんと兄さんと僕と三人、プラトニックな高い結びつきがあった。