Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
僕は、気が気でなかった。姉さんがいらしたら、何でもなくおさまる事なのだけれど。杉野さんは階段の下で、永い事すすり泣いていた様子で、それを書生の木島さんが哲学者ぶった荘重な口調で何かと慰めていたのは滑稽だった。木島さんは、お母さんの遠縁の者だそうだ。五、六年前、田舎の高等小学校を卒業して僕の家へ来たのである。いちど徴兵検査のため田舎へ帰っていたのだが、しばらくして又、家へやって来た。近眼が強い為に、丙種だったのである。にきびが、とてもひどいけれど、わるい顔ではない。政治家になるのが、理想らしい。けれども、ちっとも勉強していないから、だめだろう。僕のお父さんの事を、外へ出ると、「伯父さん」と呼んでいるそうだ。悪気のない、さっぱりした人だ。けれども、それだけの人だ。一生、僕の家にいるつもりかも知れない。
姉さんは、いま、やっと御帰宅。十時八分。
僕は、これから、代数約三十題。疲れて、泣きたい気持だ。ロバートなんとか氏の曰く、「一人の邪魔者の常に我身に附き纏うあり、其名を称して正直と云う」芹川進氏の曰く、「一人の邪魔者の常に我身に附き纏うあり、其名を称して受験と云う」