Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
「お前は、サシスセソが、うまく言えないようだね。」これも手痛かった。自分でも、それは薄々感じていたのだ。舌が長すぎるのだろうか。
「妄言多謝だ。」兄さんは笑って、「お前は、僕なんかに較べると問題にならないほど、うまいんだ。でも、あしたは本職の役者の前でやるのだから、ちょっと今夜は酷評して緊褌一番をうながしてみたんだがね。なに、上出来だよ。」
僕は、だめかも知れない。思いは千々に乱れるばかりだ。どうも日記の文章が、いつもと違っているようだ。たしかに気持も、いや気持がちがうというのは、気違いの事だ。まさか、気違いではなかろうが、今夜は変だ。文章も、しどろもどろの滅っ茶苦茶だ。麻の如くに乱れて居ります。
こんな事でどうする。あすは、いや、もう十二時を過ぎているから、きょうだ、きょうの午後一時には試験があるのだ。何かしようと思っても、なんにも手がつかず、仕方が無い、万年筆にインクでもつめて置いて、そうして寝る事にしましょう。考えてみると、明日の試験に失敗したら、僕は死なねばならぬ身なのである。手が震える。
五月九日。火曜日。
晴れ。きょうも学校を休む。大事な日なんだから仕方が無い。