Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
なぜ、天体の話などをはじめたのか、自分にもわからない。
十一月四日。土曜日。
晴れ。いまは大阪。中座。出し物は、「勧進帳」「歌行燈」「紅葉狩」。
僕たちの宿は、道頓堀の、まっただ中。ほてい屋という、じめじめした連込み宿だ。六畳二間に、われら七人の起居なり。けれども、断じて堕落はせじ!
市川菊松は聖人だそうだ。
十一月十二日。日曜日。
雨。ごめんなさい。今晩は酔っぱらっています。大阪は、いやなところですねえ。たいへん淋しい道頓堀です。あの、薄暗い「弥生」というバーでお酒を飲みました。そうして、久し振りで酔いました。酔っても、僕は気取っていた。「わかい時から名誉を守れ!」
扇之介、愚劣なり。酔っても醜怪を極めたり。そうして帰りに、破廉恥な事を僕に囁いた。僕が笑ってお断り申したら、扇之介の曰く、
「あたしゃ孤独だ。」
あきれてものが言えない。
十二月八日。金曜日。
日光が出ているのか、雨が降っているのか、わからない。始終、泣きたい気持ばかり。名古屋にいるのだ。
早く東京へ帰りたい。旅興行は、もういやだ。何も言いたくない。書きたくない。ただ、引きずられて生きています。