Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
きのうの朝から、時々、マア坊は、エプロンの下に何か隠しているようなふうで、意味ありげに廊下をうろついて、ひょっとしたら、あのエプロンの下に僕へのお土産を忍ばせてあるのではあるまいかとも思っていたのだが、図々しくこちらから近寄って手を差しのべ、「どうしたの?」などと逆襲されると、これはまた大恥辱であるから、僕は知らん顔をしていたのだ。けれども、やっぱり、それは僕への贈物であったのだ。
昨夜の七時半の摩擦は、約一週間ぶりでマア坊の番に当って、マア坊は左手に金盥をかかえ、右手をエプロンの下に隠し、にやりにやりと笑いながらやって来て、僕のベッドの側にしゃがみこんで、
「意地わる。取りに来ないんだもの。けさから何度も廊下で待っていたのに。」
そう言ってベッドの引出しをあけ、素早くエプロンの下の品物をその中に滑り込ませて、ぴったり引出しをしめ、
「言っちゃ、いやよ。誰にも、言っちゃいやよ。」
僕は寝ながら二度も三度も小さく首肯いた。摩擦に取りかかって、
「ひばりの摩擦は、久しぶりね。なかなか番が廻って来ないんだもの。お土産を渡そうとしても、どうしたらいいのか、困ったわ。