Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
僕は、竹細工の始末に窮した。つっかえしてやろうかとさえ思ったが、前の日に、すみれの花くらいのあわれな誇りをこそ大事にいたわってやらなければ、などと殊勝な覚悟を極めた手前もあり、しょんぼりした気持で、その土産はひとまずベッドの引出しにしまい込んで置く事にした。けれども、竹さんの事をあまり書くと、君がまた熱をあげるといけないから、これくらいにして置いて、さて、そのお昼ごはんの後に、僕はとにかくマア坊のお指図どおりに、洗面所へ行ってみた。マア坊は、洗面所の一ばん奥の壁にぴったり背中をつけてこちら向きに立って、くすくす笑っていた。僕はちらと不愉快なものを感じた。
「君は、時々こんな事をするんだろう。」と、自分にも意外な言葉が出た。
「え? どうして?」と、少し笑いながら眼をまんまるくして僕の顔を見上げた。僕は、まぶしかった。
「塾生を時々ここへ、」ひっぱり込んで、と言いかけたのだが、流石にそれはひどく下品な言葉のように思われたから、口ごもった。
「そう? そんなら、よしましょう。」と軽く言って、お辞儀するように上体を前にこごめて歩きかけた。
「手紙を持って来たよ。